~学年1位からの挑戦状~#1
水・電解質の調節について正しいのはどれか。1つ選びなさい。
- 循環血液量の減少はレニンの分泌を増加させる。
- 過剰な飲水は血中ナトリウム濃度を上昇させる。
- バソプレシンは尿浸透圧を低下させる。
- アルドステロンは腎臓からのカリウム排泄を減少させる。
出典:医学書院 看護師国家試験クリアブック
解答・解説は下↓にあります♪
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解答・解説
1.正解
循環血液量が減少すると、それが刺激となって腎臓の傍糸球体装置からレニンという物質が分泌されます。レニンは血漿中のアンギオテンシノゲンを分解して、アンギオテンシンⅠという物質を作ります。さらにアンギオテンシンⅠは全身の(特に肺の)血管内皮細胞に分布しているアンギオテンシン変換酵素(ACE)の作用によりアンギオテンシンⅡとなります。そうして、このアンギオテンシンⅡが細動脈の収縮や、副腎皮質からアルドステロンの分泌を促進を起こして血圧を上げます(アルドステロンについては4を参照)。これがレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系です。血圧に関係した問題ではよく出てくるので覚えておきましょう!さらに、薬理の問題では、ACE阻害薬(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)もでてきますね。これは名前の通りACEの働きを阻害するものであるため、アンギオテンシンⅡが生成されなくなります。よって、血圧を下げる降圧薬として使われます。繋げて覚えましょう!
2.不正解
過剰に水分を摂取すると当然体内の水分が増えますよね?比率の違いはあれど、細胞内液も細胞外液(血液や間質駅)も増えます。ナトリウムやカリウムなどの電解質の量は変わっていないのに、水だけが増えているのですから、濃度は薄くなりますよね!
3.不正解
バソプレシンというのは脳の下垂体後葉から分泌されるホルモンで抗利尿ホルモンとも呼ばれます。名前の通り、腎臓で再吸収する水の量を増やし、尿を減らすんです。尿にはBUNやH⁺、アンモニアなどが含まれていますが、それらは再吸収せずに水のみを再吸収します。つまり濃くなるんです。浸透圧というのは、薄い液体から濃い液体の方に水分を引き込んで同じ濃さにしようとする力の事です。言い換えれば、濃ければ濃いほど浸透圧は強いんです。つまりバソプレシンは尿浸透圧を上昇させる(強くする)ということになります。
4.不正解
アルドステロンは副腎皮質から分泌される電解質コルチコイドです。主にレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系として出てきます。役割は何かというと、「水とナトリウムを再吸収して代わりにカリウムの排泄を増やす」です。1で説明したように、要するに血圧を上げたいときにでてくるんです。血圧を上げるためには血管を収縮させるか血液量を増やすかのどちらかです。血管収縮はアンギオテンシンⅡがやってくれていますから、アルドステロンが担当するのは血液量を増やすことです。水分が増えれば血液量を増やしやすいですよね?さらにナトリウムが増えれば血漿浸透圧(血管外から血管内に水分を引き込む力)も大きくなりますから、血液量を確保することができるということになります。
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キーワード
- レニン・アンギオテンシン・・アルドステロン系
- 浸透圧
- 抗利尿ホルモン(バソプレシン)
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