~学年1位からの挑戦状~#2
アルカローシスになるのはどれか。2つ選びなさい。
- 下痢
- 過換気
- 腎不全
- 糖尿病
- 頻回の嘔吐
出典:解剖生理学クリアブック 医学書院
解答・解説は下へ♪
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解答・解説
1.不正解
下痢の主なパターンというのは、①蠕動運動が亢進し、十分に水分を吸収できないまま排泄してしまう、②何らかの原因により(感染など)、腸管からの腸液(アルカリ性)の分泌が亢進している、③何らかの原因により腸管にて水分を吸収できていない が挙げられます。いずれにしても、腸内の水分が多い状態のまま排泄されるため、便が水っぽくなるんです。この時、腸液(アルカリ性)も一緒に排泄されることになります。よって、体内の㏗は酸性に傾くため、(代謝性)アシドーシスになります。
2.正解
呼吸というのは、肺にてガス交換を行い、二酸化炭素を吐き、酸素を取り入れますよね?過換気(過呼吸もこの一種)というのは呼吸数は通常と変わりませんが、一回の呼吸が深くなる(大きくなる)というイメージです。そのため、吐き出す二酸化炭素量(酸性)は増え、取り込む酸素(中性)の量は増えます。すると、体内の㏗はアルカリ性に傾くため、(呼吸性)アルカローシスになります。
3.不正解
腎臓は血液をろ過して、体内に不要なものを外へ排出する役割があります。様々な物質の排泄や再吸収によってホメオスタシスを維持していますが、その物質の1つが水素イオン(H⁺)です。腎不全になるとこの水素イオンの排泄が障害されます。水素イオンは酸性なので、それが体内に溜まると㏗も酸性に傾きます。よって、(代謝性アシドーシス)になります。
4.不正解
糖尿病によるインスリンの高度な不足が起きると高血糖になります。なぜなら、糖はインスリンと一緒にでなければ細胞の中に入れないからです。しかし、細胞側から見ればエネルギー源である糖が入ってこなくなったため、低血糖なのだと勘違いをして、血糖値を上げるように身体に働きかけます。するとそれに反応した身体は、脂肪を分解してエネルギーを確保しようとします。この時にエネルギーと一緒にケトン体というゴミのようなものも発生します。ケトン体は酸性物質のため、これが体内に溜まると(糖尿病ケト)アシドーシスになります。
5.正解
頻回の嘔吐では胃液を喪失することになります。胃液は皆さんご存じの通り酸性なので、胃液を喪失すると体内の㏗はアルカリ性に傾きます。よって、(代謝性)アシドーシスになります。
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キーワード
- 腸液(アルカリ性)
- 糖尿病ケトアシドーシス
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