~学年1位👑からの挑戦状~#6
循環の調節について正しいのはどれか。2つ選びなさい。
- 心臓を支配する副交感神経は肋間神経の枝である。
- 副交感神経は心臓の心室筋をおもに支配している。
- 交感神経(節後線維)の伝達物質はアセチルコリンである。
- ノルアドレナリンは血管のα1受容体に作用して収縮させる。
- ノルアドレナリンは心臓のβ1受容体に作用して心収縮力を増強する。
出典:解剖生理学クリアブック 医学書院
解答・解説は下にあります♪
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解答・解説
1.不正解
心臓を支配している副交感神経は肋間神経ではなく、迷走神経です。第10脳神経ですね。副交感神経を含むのは動眼神経・顔面神経・舌咽神経・迷走神経・骨盤内臓神経だけです。これぐらいなら覚えられますね。ちなみに、肋間神経は外肋間筋や内肋間筋を支配する神経です。
2.不正解
副交感神経(迷走神経)は心臓の心室筋を支配しているのではなく、心臓の刺激伝導系を支配することで、心拍数抑制の作用を発揮しているんです。心筋は固有心筋(心房筋と心室筋)と特殊心筋(洞房結節・房室結節・ヒス束・左右脚・プルキンエ線維)に分けられます。刺激伝導系というのは特殊心筋の方を指します。
3.不正解
交感神経(節後線維)の伝達物質はノルアドレナリンです。副交感神経(節後線維)の伝達物質はアセチルコリンです。紛らわしいですね。ちなみに余談ですが、交感神経(節後線維)でも、汗腺を支配する線維の伝達物質はアセチルコリンです。余裕がある人は覚えておきましょう。
4.正解
α1受容体は、主に皮膚や腹部内蔵の血管に分布しています。ノルアドレナリンがこのα1受容体に作用すると、これらの血管が収縮します。ちなみに、β2受容体というのは主に骨格筋の血管に分布しています。一見この二つは矛盾しているように見えますね。これを解説すると、アドレナリン・ノルアドレナリンが分泌されるとき(=交感神経が優位なとき)は、身体はいわゆる戦闘モードなわけです。戦わなければならない時には消化などは一旦やめて、力を出すために筋肉にたくさん酸素や栄養分を送りたいですよね。そんな時に、α1・β2受容体が働くと内臓への血液提供はほどほどにして、骨格筋に血液をたくさん送れるというわけです。体はうまくできてますね~。
5.正解
β1受容体というのは心臓に分布する受容体です。この受容体が刺激されると、心収縮力が増強します。同時に、心拍数上昇作用もあります。ちなみに、薬理で出てくるβ1遮断薬はこの作用を抑制する薬になります。慢性心不全などの疾患で使われますね。
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キーワード
- 心筋=固有心筋(心房筋と心室筋)+特殊心筋(刺激伝導系)
- 副交感神経を含むのは動眼神経・顔面神経・舌咽神経・迷走神経・骨盤内臓神経
- α1受容体
- β1受容体
- β2受容体
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